当時の職場はパワハラが凄かった。
「殺すぞ」
「役立たず」
「ポンコツ」
「どこに行ってもお前はダメだ」
「吐きながらでも仕事しろ」
「頭が悪い」
こんな言葉を1日に最低でも10回は聞いていた気がする。
めちゃくちゃストレスが溜まっていた。
当時、ニンテンドー3DSで発売された『とびだせ どうぶつの森』のBGMを聞いただけで号泣するほど心が弱っていた。
それでも当時の俺は、睡眠だけはしっかり取れていた。
しかし、ある時から異変が起きた。
月曜日から土曜日まで毎日欠かさずアラームが鳴る1時間前の朝5時半に汗だくで目が覚めるようになった。
しかも夜は眠れない。
23時に布団に入っても眠れず、3時間ほど布団の中で震えながら朝が来るのを怖がっていた。
そしてそれからしばらくすると仕事が休みである日曜日にはとんでもない頭痛が起きるようになった。
毎週日曜日欠かさずに。
そんな日々を何か月か過ごしたある日睡眠不足から注意力が散漫になっていたのだろうか。
とうとう俺は職場で労災事故を起こし骨折してしまった。
その時に思った。
「ああ、死んだら楽になったのになあ」
そしてすぐに我に返った。
「俺はこんなことをするために生きているんじゃない」
「生きるために仕事をしているだけで、仕事のためになんて生きていない」
そして俺は仕事を辞めた。
もう仕事に自分の人生を支配されるのが嫌になった。
俺は非正規雇用で、悠々自適に生きていくことに決めたのだ。
ということで今回は、正社員を辞めて非正規雇用で働き始めてから感じた、良かったことと悪かったことを書いていきたい。
今の仕事に悩んでいる人の参考になれば嬉しい。
ただし、決して非正規雇用で生きることをおすすめしているわけではない。
もちろん正社員でも俺がこれから挙げる「良かったこと」を実感できる職場はあると思う。
あくまでも俺自身が正社員を辞めて非正規雇用になった結果どうだったのか、という話である。
正社員を辞めて非正規雇用になって良かったこと

責任感から解放された
当然、非正規雇用とはいえ最低限の責任はある。
何をやってもいいというわけではないからね。
ただそれでも正社員と比べると明らかに背負う責任は少ない。
めちゃくちゃ重要な仕事を任されることもないし、家に仕事を持ち帰ってやることもない。
この「仕事のことを仕事が終わった後まで考えなくていい」というのは本当に楽である。
責任が少ないというのは人によっては成長できないとか、やりがいがないと感じるかもしれない。
しかし俺にとっては、責任感から解放されたことが何よりも大きかった。
自由な時間が増えた

非正規雇用なのでもちろん残業なんてものはほとんどない。
あっても月に1時間か2時間程度だ。
その分、自分の好きなことができる時間が増えた。
以前はゲームをすることも、漫画を読むことも、筋トレをすることも好きだった。
やりたいという気持ちはあっても、仕事から帰る頃には疲れ果てていて何もできなかった。
仕事を辞める直前には、もはや好きなことをやりたいという気持ちすら湧かなくなっていた。
今は自炊をちゃんとしたり、仕事終わりにスーパーで買い物をしたりしていたり趣味もできる。
以前なら当たり前にできなかったような、人間らしい時間の使い方ができている。
時給換算で考えると給料が増えている

これは人によると思う。
ただ、俺の場合は時給換算で考えると給料が増えている。
前職では朝5時から夜9時まで働くことも割と頻繁にあった。
16時間労働って、今考えてもバカじゃないかと思う。
責任を背負わされ、大量の仕事を押し付けられ、家に帰ってからも仕事のことを考える。
それで時給換算すると今より安い。
俺からすれば現状は天国である。
いろんなことにチャレンジできる

精神的に楽になったことで、チャレンジできることが増えた。
配信、YouTube、ブログなど、非正規雇用になってから俺はいろいろなことに挑戦している。
正社員時代は仕事で人生の大部分を使い果たしていた。
今は仕事以外にも自分の人生がある。
人生の色が増えたみたいで、楽しい。
悪いことを挙げる前に
正直、良かったことはこれくらいだ。
パッと見では悪いことの方が項目は多い。
ただそれでも俺は自由の代償だと考えれば納得できる。
人によっては絶対に受け入れられないデメリットもあると思う。
正社員を辞めて非正規雇用になって悪かったこと
社会的信用が低い

当然だが社会的信用は低い。
車のローンや家のローンも通りにくくなるだろう。
俺自身、引っ越しの時に非正規雇用だと伝えると不動産屋が微妙な反応をすることもあった。
まあ当然だと思う。
そしてお金の面だけではない。
対人関係でも「非正規雇用です」と言うと「何か問題があるのかな?」と思われることもある。
実際に「なんで正社員にならないの?」「将来どうするの?」と言われることもある。
そしてそう言われること自体は理解できる。
世間一般で考えれば、正社員として働くことの方が安定しているからだ。
世間的に非正規雇用の人はちゃんとしてない人というイメージがあるのはやはり否定できない。
結婚をしたい人には厳しい

俺自身は結婚願望がないので正直そこまでデメリットには感じていない。
しかし結婚をしたい人にとってはかなり大きな問題だと思う。
特に男性の場合、非正規雇用というだけで結婚相手として選ばれにくくなる可能性は高い。
女性から見た時に経済的な安定性を重視する人が多いのも理解できる。
ただ、一つ言いたいのは、努力次第では恋人を作ること自体は普通にできるということ。
もちろん、相手にも結婚願望がなく、なぜ自分が非正規雇用を選んでいるのか理解してくれる人に限るかもしれない。
それでも「非正規雇用=恋愛もできない」というわけではない。
親に心配される

親世代は「正社員で最後まで働く」「結婚する」「子供を作る」「家を建てる」というものが、幸せの定義になっていることも多い。
親目線からすると、今の俺は完全に幸せのレールから逸脱しているのだろう。
めちゃくちゃ心配される。
まあ、これも仕方ない。
当然だと思う。
親からすれば、子供には将来困らず、安定した人生を送ってほしいだけなのだから。
申し訳なさはある。
将来は不安である

これに関してはやはり不安がある。
ただその不安は具体的なものというより漠然としたものだ。
「このままで大丈夫なのかな?」「年を取った時にどうなるんだろう?」そんな不安。
ただ、よく考えれば今の時代、正社員でも将来に対する不安を抱えている人は多いと思う。
会社が絶対になくならない保証なんてないし、正社員だから一生安泰という時代でもない。
意外と俺自身はこのデメリットをそこまで大きく感じていない。
非正規雇用だからといって、貯金や投資が不可能なわけではない。
結局のところ本人の生活や努力次第な部分も大きいと思う。
最後に

正社員を辞めて非正規雇用になったことを後悔しているかと言われれば、俺はしていない。
もちろん、社会的信用は下がった。
将来への不安もある。
結婚をしたい人にとって、選択肢を狭めることになるかもしれない。
それでも俺は、正社員を辞めて良かったと思っている。
以前の俺は生きるために仕事をしていたはずなのに、いつの間にか仕事のために生きていた。
朝が来ることを恐れ、休日になると頭痛が起き、好きなことをする気力すらなくなっていた。
そんな生活を続けるくらいなら、多少収入や社会的信用が減っても、自分の時間を取り戻した方が俺には良かった。
もちろんこれは俺の価値観である。
正社員として働きながら充実した人生を送っている人もたくさんいるだろう。
だから「正社員を辞めて非正規雇用になろう」と言いたいわけではない。
ただ、仕事は生きるための手段であって、人生そのものではない。
人生というのは常に自分の物だ後悔も納得も自分の責任だ。
将来、このまま非正規雇用を貫くのかは正直まだ分からない。
いつかまた正規雇用に戻ることもあるかもしれない。
ただ、正直な話をするとまた以前と同じような会社だったらどうしようと怖く思う。
確かに周囲の目は正社員だった頃よりも「ちゃんとしていない人」のような見方をされるようになった。
それでも俺は自由を手に入れ、現状に満足している。
年齢にもよると思うが人生の再スタートややり直しは意外となんとかなるものだと思う。
今、辛くてしんどくて、自分の人生が壊されかけている人は、一度そこから逃げるのも選択肢の一つだ。
いわゆる「戦略的撤退」である。
もちろん逃げた先にもまた別の戦場がある。
そこに行けばすべてが楽になるとは限らない。
ただ、現在自分が立っている場所が自分自身を壊してしまうような場所なら違う戦場に立ってみる価値はあると思う。
少なくとも俺は、あの時その場所から逃げたことで自分の人生を少し取り戻すことができた。

